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多賀クリニック(白山市)子育ての知恵袋130

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「子育ての知恵袋」 No.130

子どもの話 じっくり聞いて

<お母さんからの質問>


9月1日に中高生の自殺が多いというのは本当でしょうか?

それに対して何を心掛けたら良いのでしょうか?


(高校2年と中学1年の息子のお母さん)



<多賀先生のアドバイス>


「十八歳以下の日別自殺者数」で検索すると、中高生の自殺は九月一日だけが平均値の倍以上です。

八月十六日付に記載したように、一学期に蓄積した学校のストレスは家庭で解消されず、心の中に残っています。

そして、九月一日からストレスが上積みされるのが想像されます。


鬱屈(うっくつ)した気持ちは誰かに話して、初めて発散されて軽減していきます。

小さい子どもたちはお母さんに「ねぇ、聞いて聞いて」と言いますし、大人が同僚に愚痴を言うのも同じです。


しかし、思春期の子どもたちは親になかなか話をしません。

なぜなら、思春期は自立の練習期間ですから、反発心をてこにして親から離れることを試行しています。

加えて、思春期の子どもたちが親に話をしなくなる理由は、小さい時から顔を合わせる度に忠告・勧告・強制をされるからです。

つまり、親は子どもの話を聞いていないのです。


アドバイスや意見を言わずに、ゆっくりじっくり子どもの話をまず聞きましょう。その姿勢を見れば、きっと話し始めます。


〔北陸中日新聞 令和4年8月23日掲載〕





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